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2021.09.30

遺産相続でよくある問題


遺産相続では財産に大きな動きが生じます。そして多数の利害関係者が登場することになり、トラブルも起こりやすくなります。親族間の人間関係が良好でなかったケースではもちろん、良好な関係を築いてきた場合でも揉めてしまうことはよくあります。「希望していた財産を得られなかった」「不当に財産の分割が行われた」といった理由で、その後の関係が破綻してしまうおそれもあります。


また、親族間での関係が悪化しなくても、残った財産が主に借金であった場合などには弁済の義務ごと承継してしまうというリスクが生じます。相続の仕組みや手続に関してきちんと理解し、適切な対応をしていけばこうしたリスクは避けられるのですが、多くの方は法的な手続に詳しくありません。その結果、大きな借金を受け継ぐことになってしまい、破産にまで追い込まれる可能性も出てくるのです。


その他にも、相続では多様なトラブル・悩み事が生じ得ます。相続の開始は予期が難しいですし、事前に弁護士への依頼という選択肢を視野に入れていなければ対応に遅れて取り返しがつかない事態に陥ることがあるのです。


相続人が弁護士に依頼するメリット


弁護士に依頼することで、上のような種々の問題を予防・解決できるというメリットが得られます。以下では相続人の立場から、そのメリットに関してより詳しく解説していきます。



借金等の相続によるリスクを抑えられる

弁護士に依頼するメリットの1つとして、「借金等を承継してしまうリスクの低減」が挙げられます。


「単純承認」「限定承認」「相続放棄」に関するアドバイスが得られることがその理由です。相続が開始されたことを知ってから何ら手続をしなければ、単純承認をしたものとみなされ、あらゆる財産がそのまま承継されることになります。マイナスの財産である借金なども引き継ぐことになり、相続人には弁済の義務が負わされるのです。


これを防ぐには、別途限定承認をするか、相続の放棄という手段を採らなくてはなりません。弁護士に各手続の効果ややり方、注意点を聞くことで、このリスクは避けることができるでしょう。


 

財産・相続人の調査や手続を任せられる

遺産を誰にどれほど分配するのか、法律で最低限のルールは定められていますが、相続人間で行う協議により具体的な財産の分配ができます。


しかし、そのためには相続人および財産の調査が欠かせません。協議前にきちんと調べていなければ、時間をかけて行った協議も無駄になる可能性があります。


ただ、この作業はとても労力のかかることです。何も知識を持たない者がゼロから必要な手続を調べていたのでは非常に時間もかかってしまいます。そこで、各種調査から財産目録の作成、相続に必要な手続については弁護士に代わりにやってもらうのがベストです。手間がかからなくなる上、ミスを防げます。


また、遺留分の侵害があった場合の対処も任せられます。例えば、遺言書の指定によって受け取れる財産が非常に少なくなったケースなどです。計算も手続きも複雑ですが、弁護士に任せておけば安心して最低限の財産が確保できます。


 

遺産分割協議をスムーズに進められる

調査が順調に進められたとしても、遺産分割協議という大きなハードルが残っています。


相続人全員が参加し、分割の方法について話し合いを行うのです。これまでの力関係を背景に理不尽な主張をされることもありますし、お金に関する話し合いにより精神的なストレスがかかることもあります。


弁護士に頼むことでこの協議をスムーズに進めることが可能になり、不当な主張を退け、直接あまり触れたくないお金の交渉をする必要もなくなります。


また、分割の方法に悩んでいた財産についても効果的な解決策を見出しやすいです。信頼できる売却先の紹介をしてもらえるかもしれませんし、不動産の扱いやその後の登記に関することまで任せられます。


また、協議が調ったときの遺産分割協議書も適切に作成してもらうことで、後から法的に無効であったなどと蒸し返されるリスクも抑えられます。


 

交渉から訴訟まで広くトラブル対応してもらえる

専門家にも、司法書士から行政書士、税理士など様々なプロがいます。その中でも弁護士への依頼がおすすめされる理由は「あらゆる法的トラブルに対応ができる」ことにあります。


例えば司法書士は登記の代行が専門で、その手続に関する範囲内でしか対応ができません。トラブルが生じたとしてもその相手方と交渉を図ることまではできません。行政書士や税理士についても、トラブルが生じたときには対応しきれず、結局弁護士に依頼せざるを得なくなります。


広範な法律相談ができるのも弁護士に限られていますし、交渉の段階から訴訟まで、広く対処してもらうには弁護士を利用することになります。



被相続人になる者が弁護士に依頼するメリット


弁護士のサポートが得られるのは相続人だけではありません。被相続人となる者が、生前に相談しておくことでも様々なメリットが得られます。



遺言書が無効になるのを防げる

1つは「遺言書を適切に作成できる」点にあります。


遺言書に強制力を持たせるには、形式的な要件をクリアしていなければなりません。一定のルールに従わず作成した遺言書の内容も、本人の意思表示として事実上の効力は期待できますが、トラブルの原因にもなり得ます。「本人以外が作成したものではないのか」などと争われると、せっかく作った遺言書も効力を発揮せず、内容通りに遺産を分けることはできなくなります。


他方、弁護士に相談しておけば適切な遺言書が作成できます。遺言書の隠匿や改ざんの防止といった効果も期待できます。


 

相続人間のトラブルを予防しやすい

遺言書の作成が代表例ですが、被相続人となる者が事前に策を打っておくことで後の相続人間のトラブルを防ぐことができます。


弁護士からアドバイスを受けることで計画的に相続対策ができ、自身の死後も、残った親族が良好な関係を維持できるでしょう。



遺産相続における弁護士への依頼費用相場


最後に、遺産相続に関する弁護士への依頼費用について、相場を見ていきましょう。


なお、あくまで目安であることに留意し、具体的な金額や料金体系は依頼先によって異なるということは覚えておきましょう。


基本的には「相談料」「着手金」「報酬金」「日当」「手数料」に分けられます。


相談料は30分5,000円、初回無料などとしていることが多いです。


着手金と報酬金については依頼主が得る財産の価額に応じて変動するケースが多いです。300万円以下であれば「着手金8%・報酬金16%」、3,000万円以下なら「着手金5%+10万円前後の一定額・報酬金10%+20万円前後の一定額」といったイメージです。


日当は出張を要した場合の交通費や宿泊費。


手数料は書類の作成や調査に要した費用が該当します。例えば郵送にかかった費用や戸籍謄本の取得費用などは手数料とされることが多いです。


依頼にあたっては、どの費用がどこに含まれるのか、追加で発生する可能性のある料金は何か、といったことを確認し、明確にしておくことが大事です。





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