豊島区南大塚にある【東京あかつき法律事務所】お気軽にご相談ください。

CONTENTS

記事一覧

2022.09.06

遺言書は、公正証書として作成をすることで形式上の不備や紛失・改ざんのリスクを小さくすることができます。ただ、公証役場で予約を取り公証人とともに作成することになりますので、費用の支払いや事前の書類準備も求められます。ここではその費用と必要書類について説明します。


公正証書遺言作成にかかる費用


公正証書遺言を作成するにあたり、以下3点の費用がかかると考えておきましょう。

①公証人手数料

②必要書類の取得費用

③弁護士費用

公証人手数料と必要書類の取得費用については必須です。弁護士費用に関しては、遺言書作成に関する相談や事務手続き代行等の依頼をしたときに必要になるものです。そのため必須ではありませんが、法的な知識を備えていない人は弁護士への相談等にかかる費用も考慮して費用を準備しておくと良いでしょう。


【公証人手数料の額】

公正証書遺言は、遺言者がその遺言内容を公証人に口頭で説明し、公証人がその通りに記すことで作成されます。公証人は法律の専門家であり、公正証書遺言の作成過程において重要な役割を担う存在です。そこで「公証人手数料」の納付が必要になります。

手数料の額については、公証人手数料令にて「遺言の目的財産の価額」に対応して変動すると法定されています。目的の価額と手数料の対応表を以下に示します。


目的の価額 手数料

100万円以下 5,000円

200万円以下 7,000円

500万円以下 11,000円

1,000万円以下 17,000円

3,000万円以下 23,000円

5,000万円以下 29,000円

1億円以下 43,000円

3億円以下 43,000円+(目的価額が5,000万円を超過するごとに13,000円の加算)

10億円以下 95,000円+(目的価額が5,000万円を超過するごとに11,000円の加算)

10億円超 249,000円+(目的価額が5,000万円を超過するごとに8,000円の加算)


具体的な額を把握するには、以下の手順に沿って計算を進めていきます。


①財産相続または受遺者ごとの取得価額を算出して、価額に対応する手数料(上表参照)を合算

②全体の価額が1億円以下である場合、11,000円を加算(遺言加算という)

③遺言書の原本・正本・謄本の枚数に応じた謄本手数料を加算

  原本:原則として4枚を超えた分につき1枚あたり250円

  正本、謄本:1枚あたり250円

④公証人に出張してもらう場合、手数料を50%加算(遺言加算、謄本手数料を除いた額の50%を加算)し、公証人に対する日当と交通費分も加算


【必要書類の取得費用の額】

後述するように、公正証書遺言の作成にあたり必要書類を集めなくてはならず、各種書類を取得するのに若干の費用がかかります。

例えば戸籍謄本の取得に1通あたり450円、住民票などの取得には1通あたり300円ほどがかかります。いずれも数百円程度で済むものばかりですが、用意すべき書類が多いと数千円の負担はかかります。


【弁護士費用の額】

公正証書遺言に限らず、遺言書を作成するときは法律の専門家に頼るのが一般的です。自筆証書遺言に比べて形式上の不備は生じにくいものの、遺言内容自体に問題があることもありますし、遺言が無効にならなくても遺言者が望む通りの結果にならない可能性もあります。弁護士のサポートがなければ、相続開始後家族間で揉めるリスクも高まってしまうのです。

ただし弁護士費用は無視できません。具体的な額は依頼先によって異なりますし、目的の価額やその他財産状況によって変わってくることもあります。相場は10万円から20万円ほどといわれていますが、正式な依頼をする前に、しっかりと料金内容を確認しておくべきです。


公正証書遺言作成にあたっての必要書類


公正証書遺言を作成するには、以下の必要書類を準備しなくてはなりません。


・遺言者本人の確認資料

 印鑑証明書、運転免許証、マイナンバーカードなど

・相続人との関係を証する書類

 遺言者と相続人の関係につき記載のある戸籍謄本

・相続人以外の受遺者の住民票

 遺産を受け取る人が相続人でない場合、当該受遺者の住民票が必要

 ※法人が受遺者となるときは、当該法人の登記簿謄本を準備

・証人の確認資料

 遺言書作成には証人2人以上の立ち会いが必要であるため、その証人らにつき氏名・生年月日・住所・職業が記載された資料を準備

・遺言執行者の確認資料

 遺言内容を実現する者として遺言執行者を指定する場合であって、当該人物が相続人または受遺者でないときは、その方の氏名・生年月日・住所・職業が記載された資料を準備


その他、遺言で指定する財産の内容に応じて準備すべき資料が増えてきます。例えば不動産が財産に含まれている場合、「固定資産税納税通知書」または「固定資産評価証明書」もしくは課税明細等、そして登記事項証明書も必要になります。

必要書類に関してのわからないことも弁護士に相談しつつ、作成を進めていくと良いでしょう。


一覧へ戻る
このページの先頭へ